菊池 彩。この女のパンチはすごい・・・。私の足を止めてしまうほどだ。
と言っても完全にとめていたという訳ではない。あの女のパンチの残像が残ってそれをかき消すのでいっぱいいっぱい。
そしてたまたまの私のアッパーが彩の顔をかすめる。
単に「天然」だったのか・・・。これがばれてしまえば・・・私もう恥ずかしくて死んじゃう!!!!
それはいかん!!それだけは阻止しなければ・・・。
マイ 「本当おしかったですね〜。あのアッパー入っちゃえば終わってたのに〜。」
ユキコ 「そんな甘くないわよ。やっぱりボクシングはボクシングって事なのよ。」
くそ〜。落ち着いてる場合じゃない・・・。時間は限られているんだ・・・。あっちも動く気配ないみたいだし・・・
こっちから動いてしまおうか・・・。で!!でも・・・山下先輩に初回のラウンドはジャブで相手を探れって事だし・・・。
ボクシングって・・・以外とめんどくさいスポーツなんだな。よし!!!!
ジャブで突っついてガード固めるか!!!いくぞ!!!!!!
スミレ 「うわっ!!!!えぇぇ!?!?マジ・・・???」
こ!!!この女!!!!!先に仕掛けてきた!!!!!私より先に右で牽制してきた!!!!
彩 「・・・。(さすがにさっきのアッパーで少しビビッてるみたい・・・。あのアッパーが当たっていたらダウンどころか失神もありえる・・・。ここはあのアッパーに気をつけて速いパンチで牽制しよう・・・。)」
ルイ 「うっ!!!速い!!何あの右は!!」
レイ 「でも・・・前に前に出てきませんね・・・。スキを伺ってるんでしょう。危険ですね・・・。」
ルイ 「・・・。あっ!!!真島!!!!!あいつ足停まってるわ!!!!」
レイ 「ま・・・まずいですね・・・。かく乱するために動くのに停まってしまってはパンチの命中率はぐぅ〜っとあがっちゃいますね。」
は・・・速い・・・。なんつうパンチ。ギリギリで後ろによけたけど・・・次はないかも・・・。
まずい・・・前にでちまいそうだ!!まだラウンド終わってないのになんて女だ・・・。
これがプレッシャーってやつかぁ〜。
彩 「・・・。(動かない。ジリジリしてるって感じね。もしかして・・・。)」
彩がサッと前に出る!!!!うわっ!!!汚いぞ!!!!!!!いきなり前に出るなんて!!!!!!
しかも速い!!!!一瞬いなくなったかとおもうくらいサッと動いた!!少し右に動いてぇ・・・
彩 「もらったぁ〜!!!!!」
スミレ 「うぐっ!!!!」
しまった!!!私のグローブの間から右が入ってしまった。
マイ 「うわぁっっっ!!!スミちゃん!!なにやってるのよ!!!!!動かないとダメだって!!」
ユキコ 「まずいわね・・・。今から動いても遅いかも。相手はまだ入れる気よ。ダウンするなよ・・・。」
なんだこれ!!!!これが女のパンチ!?ビリビリする!!痛いって言うより頭が真っ白になりそう!!!
だめだ!!スミレ!!気をしっかり持て!!
スミレ 「ぬうぅぅ。」
下げた顔をまっすぐ彩に向ける。が・・・あいつまだなにかやる気だ。
彩 「はぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
はぁぁ???なに!?なに!?何をする気なのよ!!あっ・・・。
スミレ 「あっ・・・。あうっ・・・。」
あごに何か・・・はいってる・・・アッパーだ・・・。しまった。
彩は私のあごを思いっきり突き上げ払った。私は意識が遠くなって・・・。
これがボクシングなんだ・・・。す・・・すごいなぁ・・・。
つづく
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