55555ヒット特別試合

モモイロノナイフ・・・ ファースト・リプレイ

もう・・・何年前になるか・・・。私は覚えていない。

でも私はたしかに・・・かすかに・・・覚えている・・・。

そう・・・あれは・・・。たしか・・・桃色だった・・・。

PM17時32分 佐藤ボクシングジム 事務室

サトエ 「ねぇ・・・。レイ・・・。一週間後とか・・・試合やらない。」

レイ 「??えっ?先輩と試合なら絶対いやです。病院はいやです。」

サトエ 「バカねぇ〜。私じゃないわよ。」

レイ 「よかった〜♪別にいいですよ。試合。んで誰とですか??」

サトエは少し黙るが再び口ほ開く。

サトエ 「桃色兎よ。」

桃色兎・・・。かつて昔 対等に戦いダブルKOに終わった相手。

レイ 「まさか。あの・・・。兎!?」

レイの脳裏に昔のその試合の映像が横切る。

サトエ 「どうする??やる??やるなら契約しちゃうけど・・・。」

レイ 「はい。やります!!決着をつけないと・・・。」

レイと桃色兎の強さは実に同等だ。だがもう何年も顔をあわせていない。

レイもさらに強くなっていれば兎の方もまたさらに強くなっているのかもしれない・・・。

PM22時12分 山下家 優紀子の部屋

レイはユキコの家に遊びに来ていた。というより対桃色兎について作戦を練っていた。

ユキコ 「ん〜。彼女の資料はこの昔やりあった時のビデオしかないわよ。」

レイ 「こまりましたね〜。資料がこれしかないって・・・。」

ユキコ 「・・・私もこの時は客席で見てたけど・・・どうにも・・・」

レイ 「一つ分かることはあるんです。」

ユキコ 「足。」

レイ 「そうです。全体のスピードがはやいんですよ。」

ユキコ 「んん〜。まるで兎ね。」

レイ 「・・・。ボディ・・・。あの時・・・ボディを当ててからストレートがヒットしてことがあったんです。」

ユキコ 「・・・。それ・・・それよ!!」

レイ 「!!??」

ユキコ 「兎を捕まえるときって坂道の下りで捕まえるのよ。知ってた!?」

レイ 「??いえ。初耳です。でもそれがなんの関係が??」

ユキコ 「レイ。あなたは入っていくインボクシングスタイルよね。」

レイ 「えぇ。どちらかといえば・・・。」

ユキコ 「レイ。今回の試合はアウトでいったほうがいいかもよ。」

レイ 「アウト・・・??私が・・・!」

ユキコ 「いい??ボディをうったら必ず相手はうっ!って少しかがむはずよ。そこですぐアウトで逃げるのよ。」

レイ 「なるほど・・・。相手はインボクサー・・・。もしかして!!!!!!!」

ユキコ 「そうよ。インボクサーをアウトボクシングで攻めるのよ。まさに下り坂で兎狩り!!」

レイはユキコの意外な考えにボーっとしてしまうが理解はできた。

そして・・・一週間がたつ。

客席にはサトエとマイがいた。

マイ 「また この時がきましたねぇ。絶対またこの試合があると思いました。」

サトエ 「そうね。私もそう思ったわ。今回こそはレイに勝ってほしいわ・・・。」

マイ 「ですね。」

レイとユキコはリングにあがっていた。まさに昔のあの時と同じだった。

レイ 「あの時と同じ・・・私がさきにいて桃色兎は後からくる・・・。でももうくりかえしちゃだめなんです。」

ユキコ 「そうね。レイ。自信なんていらないわ。まわりの仲間を信じなさい。」

レイ 「ふふ。なんかサトエ先輩がいるみたい♪変なの。」

二人はこう話していたら等々リングに桃色兎が顔を出す。

桃色兎 「変わらないわね。あの子・・・。」

レイ 「桃色兎・・・ 少し変わったみたいですけど・・・ほとんど変わらないですね。」

二人はコーナーでお互い見詰め合っている。

試合はもう・・・始まる。二人は中央による。

桃色兎 「久しぶりね。レイ・・・。」

レイ 「そうですね。もうあの時のようにはすなりませんよ。」

桃色兎 「それは私だって同じよ。あなたには負けないわ。」

ラウンド1!!ファイト!!!カン!!!!

はじまった。お互いが牽制をしあう感じではじまる。

レイ 「ここはまずインに入ってボディを!!!!」

桃色兎にとっさのボディをあたえる。

桃色兎 「!!??しまった!!下から!!」

ドンッッッッ!!!!!!!!!

桃色兎 「うぅっ・・・。まさか・・・」

レイ 「これはチャンスかも!!!さらに!!」

レイはさらに攻撃を加えようと思ったのだが桃色兎もレイより先にしかける。

桃色兎 「やゆるじゃな〜い♪今度はこっちよ!!!」

桃色兎はレイの顎めがけてアッパーを出す。

レイ 「!!早い!!!」

パシィィィィィッッッッ!!!!!

レイ 「あぁっっ!!!!!やりますね・・・。」

お互い一度後ろへ2〜3歩下がる。

レイ 「あぶないです。あのアッパー・・・昇天する所でした・・・。」

桃色兎 「お腹がいたい・・・。何!あんな破壊力のあるパンチ・・・。あぶない。」

レイはまたしても桃色兎にかかってくる。

レイ 「もう一回!!もう一回やってみましょう!!」

桃色兎 「今度こそ上!!もうボディからの攻撃はないはず!!」

桃色兎はレイの対ストレートに集中をするがレイはまたしてもボディを狙っていた。

レイ 「!!!!!!!!!!」

ドスゥ!!!!!!

桃色兎 「!!!まさか・・・またぁ・・・あふっ・・・。」

桃色兎はボディをまたしても食らい少しかがんだ状態になる。だがレイは攻撃を加えず一度アウトに下がろうとする。

それに対して桃色兎はとっさに体制を整えさっきと同じくレイにアッパーをだす。が

気づいたときにはレイは目の前にはいない。レイは左のストレートならとどくと思い思いっきり左でストレートを

打ち抜く。桃色兎のアッパーは流れてしまった。とっさにガードをしたいがさすがに間に合わずクリーンヒット

してしまう。

桃色兎 「ふわぁぁぁぁっっっ!!!!!!!!!!!」

レイ 「ふふふ・・・。かかりましたね。これが兎を狩るための罠ってことです。」

桃色兎 「あぐっ・・・。じゃあさっきのはわざと・・・。」

ユキコの戦略とレイの理論・・・。二人はこの試合に勝てることを予感していた・・・。

だが・・・試合はまだはじまったばかりだ・・・。

続く

モドル
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